すまほを安くつかう

各キャリアが新料金プランを発表しましたが、あまり通話をしない人にとっては値上げです、どうやって料金が節約できるか考えてみたいと思います。

「スマ放題」「かけホーダイ&パケあえる」比較

ソフトバンクモバイルは7日、音声通話が定額となる新料金プラン「スマ放題」を7月1日から提供すると発表した。定額プランに関してはすでにNTTドコモが「かけホーダイ&パケあえる」をスタートしているが、どちらが得なのか。両社の新料金プランを比較してみた。

といっても、実は基本的な料金部分に関しては両社ともほぼ同じである。

2年契約時のスマートフォン向け基本プランは2,700円、フィーチャーフォン向けも2200円で両社同じ。インターネット接続料も同じ300円だ。さらには、パケット料金も名称の違いはあるが、データ容量とそれに該当する料金は同じだ

■基本料金とISP料金

 NTTドコモソフトバンク
基本プラン(スマホ) 2,700円 2,700円
基本プラン(フィーチャーフォン) 2,200円 2,200円
インターネット接続料 300円 300円

■パケット料金

 「パケットパック」(ドコモ)「テータ定額パック」(ソフトバンク)
2GB 3,500円 3,500円
5GB 5,000円 5,000円
10GB 9,500円 9,500円
15GB 12,500円 12,500円
20GB 16,000円 16,000円
30GB 22,500円 22,500円
200MB 2,000円(らくらくスマホ) 2,000円(シンプルスマホ)
使い放題 なし 3500円(フィーチャーフォン)
ドコモの場合10GB~30GBは家族向けのプラン

■割引・キャンペーン

 ドコモソフトバンク
家族内シェア ○(500円/子回線) ○(500円/子回線)
家族割引 ×
25歳以下限定ボーナス ○(500円割引/月、1GB追加) ○(500円割引/月、1GB追加)
データ繰越 ×
長期継続特典 最大2,000円割引/月 Tポイント還元率が最大5倍

NTTドコモソフトバンクともに新料金プランは「基本料金+ISP+パケット料金パック」で構成されている。通話も通信も行う一般的な使い方の場合、基本料金の2,700円を支払い、そこにデータ通信量に応じたパケットプランをプラスする形だ。

たとえばもっとも安い2GB制限のパケットプランをつけると、両社とも「2,700円(基本料金)+300円(ISP)+3,500円(パケット料金)=6,500円」となり、これが基本的な月額料金となる。ここに各種ボーナスが適用され、割引きが発生する。

先行したNTTドコモに対抗してソフトバンクが独自に打ち出すのは、「データくりこし」「家族おトク割」「長期契約ボーナス」だ。「長期契約ボーナス」は、長期契約者のTポイントの還元率を上げるというもので、Tポイントカードを使っているなら意味がある。そうでないなら単純に値引きされるNTTドコモの「ずっとドコモ割」の方が良い。

「データくりこし」は毎月の余ったデータ通信量を100MB単位で翌月に繰り越せるプラン。ただし、5GB以上のデータプラン契約が必須なので、利用するためには「2700円+300円+5,000円=8,000円」がベース料金となる。

また、ソフトバンクは、家族に対してはNTTドコモと同じ「家族データシェア」以外に、「家族おトク割」でメリットを打ち出している。

プラン名月額割引額
データ定額パック5 300円
データ定額パック10 1,000円
データ定額パック15 1,500円
データ定額パック20 2,000円
データ定額パック30 3,000円
適用条件は合計2~10回線で各データ定額パックのデータ量の合計が10GB以上になる場合。各データ定額パックの月額料金が2年間割引となる

割引料金は「データ定額パック5(5GB)」から「データ定額パック30(30GB)」まででそれぞれ月額料金から300円~3,000円が2年間割引となる。ただし、これも「家族データシェア」や「U25ボーナス」との併用はできない。さらに、各データ定額パックのデータ量の合計が10GB以上という条件もある。

さて、このように、文字で書くとかなりややこしいが、要するに次の2つのパターンのどちらかになるわけだ。

ソフトバンク

  • 「データくりこし」+「家族おトク割」+「長期契約ボーナス」

  • 「家族データシェア」+「U25ボーナス」+「長期契約ボーナス」

これに対してNTTドコモの場合、「シェアパック」「U25応援割」「ずっとドコモ割」の3つのサービスを組み合わせるので、以下のパターンのみとなる。

NTTドコモ

  • 「シェアパック」+「U25応援割」+「ずっとドコモ割」

これは前述したソフトバンクの2番目と同じ内容のプランだ。「長期契約ボーナス」と「ずっとドコモ割」の違いはTポイントカードの有無によって変わるので、ここでは割愛する。

NTTドコモソフトバンクの違いはただひとつ、ソフトバンクなら「データくりこし」+「家族おトク割」の組み合わせが使えるということだ

ソフトバンクの新料金プランの割引き・特典2パターン

  • 「データくりこし」+「家族おトク割」+「長期契約ボーナス」

  • 「家族データシェア」+「U25ボーナス」+「長期契約ボーナス」

ソフトバンクには上記のように2パターンの割引き・特典があると記したが、「家族データシェア」だけで「データくりこし」+「家族おトク割」よりも得になるケースはないだろうか。

実はある。

たとえば4人家族を想定してみよう。4人が一人あたり5GBを使う場合、別々に契約すると「5,000円(データ定額パック5)×4人=20,000円」のデータ通信費がかかる。ここから「家族おトク割」で「データ定額パック5」利用時の割引が1回線ごとに300円となるから、300円×4人で割引額は1,200円となり、合計データ通信費は「20,000円(データ通信費)-1,200円(割引額)」で18,800円だ。

一方で、「家族データシェア」を使うと、20GBなのでパケット料金は「データ定額パック20」の16,000円。そこに子回線3台分のシェア料金(子回線1回線あたり500円)が加算されるから、「16,000円(データ定額パック20)+500円(シェア料金)×3人=17,500円」となり、上記と比較し、月額1,300円が得になるのだ。この家族に25歳以下の人がいれば、U25ボーナスが適用されて、総額はさらにトクする計算だ。

もう少し現実的に、4人家族で「親はそれほどパケットを使わない(1人あたり2GB)が、2人の子どもはそれなりに使う(1人あたり5GB)という場合で考えてみよう。この場合は、「データ定額パック2」が「家族おトク割」の対象にならないことに注意が必要だ。

すると、「3,500円(データ定額パック2)×2人+5,000円(データ定額パック5)×2人-300円(データ定額パック5の家族おトク割)×2人=16,400円」となる。同じ組み合わせを「家族データシェア」で行うと、合計パケット14GBを確保するために12,500円の「データ定額パック15」を契約。さらにシェア代が3台分(500円×3人=1,500円)かかって、「12,500円(データ定額パック15)+500円(シェア料金)×3人」で14,000円と、やはり「家族データシェア」を使った方が安くなるのだ。こちらも、子供が25歳以下であれば、「U25ボーナス」でさらにトクすることになる。

ただし、逆転するケースもある。

ソフトバンクの新料金割引き・特典2パターン

  • 「データくりこし」+「家族おトク割」+「長期契約ボーナス」

  • 「家族データシェア」+「U25ボーナス」+「長期契約ボーナス」

「2人がそれぞれデータ定額パック15を契約する」といったケースでは、「家族おトク割」で、2年間、それぞれ月額1,500円の割引となるため1500円×2人で合計3,000円の割引になり、「12,500円(データ定額パック15)×2人-3,000円(家族おトク割)」で22,000円となる。

これを「家族データシェア」で契約すると、「データ定額パック30」で22,500円、シェア1台分の500円が乗って23,000円となり、2年間は「家族データシェア」の方が割高になってしまうのだ。仮に、基本使用料が1人につき500円割り引かれるU25ボーナスが2人に適用されても、2年間は同額だ。

もちろん、「データシェアできる」というメリットはそのままなので、そこに魅力を感じるなら問題ない。

どの時点で逆転するのかについては複雑すぎて一覧表にできないが、「どちらかの組み合わせで必ず得をするわけではない」ということは覚えておこう。

まずは、一人あたりどれくらいのデータ通信量を使うのか、そして家族全員ではどれくらいのデータ通信量になるのか、その数値を調べるところから始めたい。

(記事提供: AndroWire編集部)